「冬野集」 一覧

☆　Hisakoraの句 ・　紙雛を送ってくれし古き友 ・　送り来し紙雛飾る手の震へ ・　雛段に早変わりするりんご箱 ・　喜寿なるも今も恋しき雛霰 ・　誰が植ゑし庭の片隅クロッカス ・　蕗の薹庭のあち …

☆　Hisakoraの句 ・　大寒の寒さを肩に受け止めて ・　残り糸集め仕上ぐるマフラーよ ・　悴みて指の動かぬ毛糸針 ・　バスを待ち集ふ園児や初雀 ・　孫書きし婆の批評や初仕事 ・　氷張る底を捉へて …

☆　Hisakoraの句 ・　夫が煮し冬至南瓜の辛きこと ・　朝夕に届くクリスマスプレゼント ・　黒豆を煮るか買ふかで諍へる ・　風に雪揺らす校舎のガラス窓 ・　流れ行く雲を背負いて雪の舞ひ ・　裏山 …

☆　Hisakoraの句 ・　重たげに梢の上の冬の空 ・　名草枯る人も少なし田舎道 ・　山芋を掘りし名残の穴の後 ・　懐かしや戦後麦飯とろろ汁 ・　老い二人寄せ鍋小さくなりにけり ・　月食と星を見上ぐ …

☆　Hisakorakの句 ・　猫じゃらし小瓶に挿して絵手紙に ・　吾が夫が紫蘇の実採りて惣菜に ・　早々と供へ物して月を待つ ・　ラニーニャに台風の子の次々に ・　台風の進路はいつも「つ」の字書き …

☆　Hisakoraの句 ・　紫の山の端近く秋めいて ・　冬野菜小さき畑に十種類 ・　銀杏黄葉ひらひら肩に散りにけり ・　鎌を研ぐ秋の夕焼けなりしかな ・　巻雲を染め忽ちの秋夕焼 ・　秋空や竜の落とし …

☆　Hisakoraの句 ・　天を突き逆さに実青檸檬 ・　梅の木に胡瓜の下がる風情かな ・　ジェット機の影を落として夏の雲 ・　法師ゼミ何処にて鳴くか空見上げ ・　楽団に仲間入りする法師蝉 ・　田舎道 …

☆　Hisakoraの句 ・　夏の空雲の厚みにジェット音 ・　今朝もまた欅に群るる蝉の声 ・　夏空や二羽の雀の姿消ゆ ・　久しぶり娘と食べる鰻かな ・　Tシャツに描く二輪のくれまちす ・　食欲の無さ物 …

☆　Hisakoraの句 ・　梅雨明けの速さや次の恐怖湧く ・　太陽光発電暑さにも負けて ・　山裾の田の色失くす旱かな ・　捩花を摘みて小瓶に二三本 ・　捩花の薄紅挿せし青き瓶 ・　短夜を楽しむが如高 …

☆　Hisakoraの句 ・　我が庭に風と手を取り春来る ・　芍薬の花の重みにそっと杖 ・　柿若葉しとしと雨に艶を増し ・　鯉のぼり隣家の夫婦に気兼ねして ・　母の日に花より嬉し最中来て ・　珍しき蝶 …