〇 moriは極端な音痴である
moriは自他ともに認める音痴である。moriも時々カラオケをすることがある。近所の老人たちで作るカラオケ同好会なるものがあり、毎月第二、第四土曜日の午後6時から近くのとあるところで15、6人集まってみんな好き勝手に自分の歌を歌う。みんな他人が歌っているのをまじに聞いてはいない。moriは妻の付き合いで同行するのである。決して歌うのが嫌いなわけではないが、とにかく歌えないのである。昔の唄なら少しは歌える。だが、一番は歌えても、二番はてんでメロメロになる。なぜか三番になるとまた何とか歌える。どうしてかなとmoriは考える。そうか、昨今のテレビの歌謡番組では時間の関係で、一番、三番を歌って終わる。そう、二番を聴く機会が滅多とない。moriは耳から聞いた歌詞を何とか惰性みたいなものでうろ覚えしているのである。その日の一番の出足の声音が出れば何とか一番は歌いおえるが、二番になると歌詞を覚えてないので、メロディーが流れても、そのとおりの音が出ない。絶対音感は3歳ごろまでに決まるとか聞いたことがある。moriの三歳の頃は終戦後間もないころである。家に楽器などない。小学校にもかろうじてピアノが一台あっただけ。そんな環境で、音感など養われることはないと、ずーっと信じてきていた。
だが、本当のことはわからないが、音感なんて生まれつきのものであるのではないだろうか? 孫なんか、2歳の頃から上手に歌い、リズムに乗って大人顔負けのふりで踊っていた。moriはリズムに乗れない。ステップが踏めない。まさに典型的な音痴である。
〇 moriはえっちでもある
moriの音痴は生まれながらのものであり仕方ない。moriには三大苦手がある。一番目は音痴による音楽の時間。二番目は体育の時間。moriは典型的な胴長足短族である。そのためかどうかはわからないが、走るのがとにかく遅かった。運動会などなければよいと思っていた。でも、小学校、中学校と運動会は毎年繰り返し行われていた。そんなmoriが徒競走で二位になったことが一度だけある。それは小学校の三年生の時である。moriはその日は調子よくスタートを切った。あと10メートルのところで、四位である。ところが先行する三人が何かにつまずき転んでしまった。そうゴールは間近。mori絶好のチャンス。一気にゴールに駆け込んだ。夢にまで見た一位かと思いきや、後続のものに追い抜かれ惜しくも二位。でもmori生涯で最高の順位であった。
三番目は絵画・図工の時間である。moriは絵を描くのがとてつもなく下手である。立体のものを平面に描く、つまり三次元の物象を二次元の紙に描くことができない。それどころではない。二次元の絵や写真を同じ二次元の紙に書き写すこともうまくできない。これは絵を描くことの能力欠如、つまり、絵っ痴(エッチ)なのである。moriは多分アスペルガーの一種であろう。凸凹脳であることは間違いないが、何か突出したものがあっただろうか?
〇 妻は機械音痴
【意外と知らないIT用語】ドメインって何? お名前.com妻は極端な機械音痴である。日本人だけも知れないが一般に女性の方は機械を扱うのが苦手なようである。人類がこの世に生まれてからつい最近まで、道具を作るのは男の仕事であったことが、知らず知らず女性の機械苦手意識につながっているのかも?
それにしても、我妻の機械音痴は甚だしい。パソコンは1980年の前半頃より、少しづつ一般家庭にも浸透してきた。仕事柄わが家もその頃より持っていた。妻にも使い方を何度となく教えたものである。その時、一時的には使えるようになったみたいだが、2~3日もすればすっかり、使い方を忘れてしまう。何度繰り返しても同じである。自分で買ったミシンもろくに使えていない。ストレートミシン、ロックミシンと持ってはいるが、糸を変えたり針を変えたりす。と途端に「ミシンがうまく動かない。故障している。」と宣う。やれやれ、とmoriは見に行く。糸掛け、糸の張り方の強さバランスの調整、どこかうまくいっててない。ミシンはどこも故障していない。ミシンに対してはなはだ失礼なことである。
● そんな妻にスマホを誕生日祝いにプレゼント
二年前の妻の誕生日に、妻が使っていたガラケイに変えてスマホをプレゼントした。妻の友達がスマホを使い始めてとても便利だと喧伝されているらしかった。それと使用中のPHSガラケイのサービスが間もなく終了するとも言われていた。妻にプレゼントする前4~5か月先行してmoriは使い始めていた。わからないことばかりであったが、moriは仕事上探り引きが出来たので、あまり不自由は感じていなかった。
ところがである、というか当たり前だったというか2年半がたった今も、妻はスマホに操られ、馬鹿にされている。これまた、何度となく使い方を教えても、すぐに間違える。原理的な動きがわからないからそうなるのもやむを得ない。また、パーキンソン病のせいで手指が自由に動かないのが一番大きな理由かも知れない。
パーキンソン病ののひとには、やはりタッチパネル操作は難しい。近ごろ、高齢者向けのガラホなるものが出回っている。最近、そちらに乗り換えようかと真剣に考えている。だが、それはmoriが先走っているのみ、妻は何とかスマホで頑張ると今も言っている。妻のその気持ちを大事にしたいmoriであった。