☆ moriはローマ字変換入力をしない
・ 現今メールやパソコンの入力はほとんどの人がローマ字入力をしているのではないだろうか。娘も孫もローマ字入力をしている。だが、moriは1980年代前半にワープロ機が出始めたころから一貫して仮名入力してきた。 前回のコラムで書いたY銀行の為替オンライン・システムの開発のテストデータはすべて自分たちで作成した。当時の紙テープさん孔やカード穿孔の機械のキーボードはカタカナ打鍵であった。現在使用しているパソコンの日本語キーボードと配列はほぼ同じであるため、moriはそちらの入力の方がわかりやすかった。それとローマ字変換の場合はひらがな1字に2,3ストローク必要となるが仮名漢字変換の場合1字は1ストロークで済む。そのため、ローマ字変換のスピードとそれほど変わらない。moriは初めからブラインド入力ができないからなおさらである。だが娘の入力の速さには到底かなわない。ピアノが弾け、英文タイプライターがブラインド・インプットのできるものにはかなわない。
☆ FCP(File Control Program)のmori
・ Y銀行で為替システムが稼働し始めて一年後、預金オンライン・システムの開発プロジェクトが始まった。この時は端末を管理する回線制御プログラム(LCP:Line Control Program)は本社の方でひな形が提供された。そこで、これをベースにユーザーの個別要求に対応する方式が採用された。でも、これは端末の制御のみで、一番肝心の元帳などの管理をする制御プログラム(FCP:File Control Program)は各ユーザーで独自に開発する必要があった。前回の経験からmoriが主に担当することになった。お客様の要求を煮詰めていくと、到底らとが基本的に備えている標準アクセス方式では不可能であった。(実際は標準の方式を使っても作成することは可能であったが、1回の入出力マクロを使うと相当数のプログラムステップを必要とし、当時の遅いコンピュータでは到底当行のデータ量を処理しきれなかったため) moriは独自の方式で解決した。EXCPというI/O要求マクロを使い直接DISKの入出力を制御させた。この方式は当時日本で最初の本格的使用例であった。
・ 大阪に転勤して一年後、F銀行のオンライン・システム開発プロジェクトを担当することになった。この時同時並行的にプロジェクトが進められていた別のF銀行と合同で(インターナルだけで)FCP開発をすることになった。当然moriがその責任者である。moriは土日の二日間で大枠の設計を家で行い、月曜日にそれをプロジェクトチームに説明。承認を得た。全員そのスピードには驚いたようだが、moriにしてみれば二番煎じのようなものであった。確かに新しい考え方も随所に取り入れはしたものの…。そのシステムはその後10年間無事に稼働したそうな。(moriはシステム全体の本番稼働前に他のお客様担当になったので) まわりまわって、大阪で直接担当したF銀行ではなく、もう一方のF銀行を担当する課長になった。ある日オンライン障害があったときmoriも現場に駆け付けた。そして原因を究明。担当しているSEやお客様のFCP担当者に説明することになった。その時お客様から「なんで当行のFCPについてそこまで知っているのか?」と言われたがmoriは偶然BUGを見つけただけと答えた。
・ BUGつぶしのmoriについては次回にしよう。