・ 四月も下旬となり、いつも年ではそろそろ野イチゴが熟れるころとなりました。moriの子供のころ過ごした田舎では今頃から五月の連休明けまで野イチゴがたくさん山に熟れていました。小さなイチゴ篭、moriの田舎では”てぼ”と言っていました。そのてぼをもって近くの山にイチゴ採りに2~3人で行ったものです。
・ 野イチゴが熟れるころはまた蛇が出てくるころと重なりました。特に野イチゴがたくさんできるところにはマムシの住処が彼方此方にありました。そのことは父母からもよく聞かされていました。戦後間もないころのことです。今のような立派な長靴もなく、合成ゴムでできた短靴を履いて山の中に入っての野イチゴ採りです。最新の注意を払いながら恐る恐る手を伸ばしてまっかなイチゴを採りながら、食べながら命がけの楽しみでした。
☆ 野イチゴや葉裏に白き蛇の泡
☆ 赤き実に蛇恐れつつ出す食指