☆ 娘はありがたいやら怖いやら
二番目の孫娘が今年高校を卒業した。今は自由の身の孫と娘が我が家にHisakoraの見舞いがてらにやって来た。Moriが妻の介護の疲れを訴えていたからである。老々介護も新型コロナ以降だんだんMoriには大変になってきている。妻の病状も良くなることはなく、進行の一途であり、妻は自分の体の自由が利かなくなるにつれ、その分Moriに対して不服を言い連ねるようになってきた。神経内科の掛かりつけの先生から、認知症も可なり重くなっている、と言われる。急に怒り出したり、分けのわからないことを言ったりする。また、発声も悪くなり、Moriも耳が遠くなったのと相まって、妻が何をいわんとしているかが聞き取りにくい。何度も聞きなおすことしばしばである。そうすると「もういい、何度言ってもわからん人にはもう言わない」とすごい剣幕で怒る。Moriもカッとなって怒り返すことになる。相手は病気で認知症と分かっていても、ついつい口げんかになる。Moriに余裕がなくなった証拠である。老々介護の疲れが募りついには相手の命を奪ってしまった、というニュースも良く聞く。
娘に電話で妻を何とかなだめて欲しいと電話することが多くなった。LINEのビデオ電話で応じてくれる。本当に助かる。
Moriはこの頃夕食時になるとやたらとお酒が飲みたくなる。お酒でストレスを解消しようと思っている。しかし、妻はMoriがお酒を飲むのをめちゃくちゃ嫌う。妻との夕食の時にMoriは晩酌を楽しみたい。焼酎一杯で十分である。それができないので妻が寝てから独りで飲むことになった。かえって飲みすぎになってきた。アルコール依存症である。
娘に言わせると「アスペルガーの人は、何かに依存する傾向がある。Moriはずーと会社勤めの頃からアルコールに依存してきた。母さんや自分はないがしろにして。」「そのお酒を飲むMoriを母さんが憎むのはあたりまえだ。」Moriもその通りだと思う。でも、アルコールに依存するのはアスペルガーのせいなのかどうかは分からない。ただ、逃げてるだけなのではないだろうか。娘は何でもかんでもMoriのことをアスペルガーと言うが、本当かなあ?
娘に言わせると「Moriの母親が典型的なアスペルガー、でMoriの姉も母親に負けず劣らずのアスペルガー。だから自分がアスペで子供たちみんながアスペルガーになったんだ。どうしてくれる?」そういわれても、Moriのせいではない。ご先祖様のDNAを受け継いだだけなのに。
それにしても、MoriだけのDNAのせいなのか? 妻の方とか、娘の旦那のほうのDNAにもその傾向があるのではないだろうか、とMoriは思っている。いずれにしてもやはりMoriの発達障害は否めない。
Moriがもう80歳を過ぎたので、何かときつい。だんだんやることが億劫になったと訴えると、「まだ81ぐらいでグタグタいうな。それより毎日団地内を2周歩け。酒は飲むな、飲むのなら、母さんの前では絶対飲むな。そして飲んでも一杯だけにしな。」と厳しい。でも、よくよく考えるとやはり娘である。Moriの事を気遣って言ってくれているのだと、感謝もしている。娘は怖くてもありがたい存在である。