パーキンソン病の妻と介護する夫の日記

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人間万事塞翁が馬

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・ 一昨日の夕方いつものように娘の長女からLINEのビデオ電話がかかってきた。「おばあちゃん居る?」「居るよ」とスマホをスマホ立てに立てかけて妻に渡す。ほとんど毎晩の如く娘やその家族からビデオ電話がかかってくる。相手は決まって「おばあちゃんは居る?」で始まる。私たちには子供は一人、孫が三人いる。一番上の孫は小さいころから「自分は勉強するのは嫌い」と言っていた。三歳の頃である。歌ったり踊ったりすることが上手で、本人もそれを喜んで私らの前で披露していた。小学校に入学する前からバレェを習い始め、小学校の高学年になると夏休みを利用してロシアのアガノワバレェスクールに短期レッスンに2~3回行った。中学卒業の時同級生を前に堂々と「私はバレェのプリマになる」と宣言した。孫が高校1年の夏休み前にエストニアの国立バレェ学校の募集オーディションが日本であり、受けて見事合格した。その年の九月エストニアにバレェ留学することになり三年間エストニアに行った。その間孫はNHK学園の通信高校に入学変更して現地で高校の勉強を合わせて頑張った。バレェ学校を卒業する直前にコロナが全世界的に蔓延したため、卒業式を待たずに日本への帰国を余儀なくされた。

・ エストニアの国立バレェ団に応募してバレェリーナになる夢ははかなくも消えた。卒業証はもらえたが、、、NHK学園の高校課程も無事卒業できた。

・ コロナとロシアのウクライナ侵攻とでエストニアは外国人のバレェリーナの募集もずーと途絶えてしまっている。ヨーロッパの国々も募集を控えていた。さらにイスラエルとパレスチナの戦争が起こり益々孫の夢であるヨーロッパでの活躍は難しくなった。それでもブルガリアとチェコのオーディションを受けに行った。残念ながら採用されることはなかった。

・ 今はアルバイトをしながら、日本のバレェ團で踊りを続けている。先日の公演で初めてソロで踊った。爺婆もそれを観るために車椅子と飛行機ではるばる駆け付けた。その前の二月公演の時は妻が誤嚥性肺炎で入院したのでMoriだけが観に行った。

・ そんな孫にロシア連邦の中のバイカル湖の近くのある共和国の州立バレェ団からオーディションの誘いが来た。遠いしお金もかかるとのことで先方からビデオによるオーディションができるとのことでそうすることになった。婆はそんな見も知らぬ寒い国に行くのは危険だと、はなから反対のようである。まだ採用が決まったわけでもないのに・・・

・ それで一昨日の夜のビデオ電話でちらっと孫にそんな不安を口走ったようだ。そんな話の中で大学に行くようにとか何とか・・・婆は大学に行きたかったのに経済的な理由で親から反対されたとか・・とりとめのないことを言ったらしい。昨日の夜、婆は疲れて早々と寝に入った後娘からテレビ電話がかかってきた「母さんは? もう寝た?」もう寝たと伝えたところ、「孫がばあちゃんの言ったことで、怒っている。自分は自分の意志でバレェの道を進んでいる。大学なんか興味もないし、生活のためにあまり何の役にもたたない。大学云々に言及されたくないし、おばあちゃんもその年になるまで大学に行けなかったことを悔やんでいるのもバカバカしい。・・・」 ジジババは昨日の朝その話をしあって、「孫も立派に育ってしっかりした考えを持っている」と喜んでいたのに。なんか誤解され意見の食い違いになったのだろう。パーキンソ病発症より26年がたち、妻は病気と薬のせい、それに認知症もちょっぴり手伝って普通の考えができなくなっている。話が込み入ってきたりすると論理的な話はできなくなっているのが事実であるが、妻はそれを認めない。孫の心配より自分のことを心配してほしいMoriである。

・ 今朝のLINEでつい娘に「人間万事塞翁が馬」と書いて出した。娘や孫を励ますため、自分と妻に言い聞かせるために・・・

・ ともあれ、ロシア・ウクライナ、イスラエル・ガザの紛争が一日も早く終息しますように

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